料金体系の特徴

 福岡つむぎ法律事務所の報酬基準は、弁護士の報酬基準が一般的に複雑で幅のあるものである中、できる限り一般のお客様にも分かりやすい定額制をとっていることが特徴です。

一般的な弁護士報酬基準

 弁護士が「弁護士報酬の相場を教えてください」と聞かれたとき、よく示すのが「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」です。かつては、日本の全ての弁護士がこの旧報酬基準に従っており、廃止された今でも多くの弁護士がこの基準を使っています。その意味で、旧報酬基準は弁護士報酬の相場を表しているといえるのです。ご参考までに、その旧報酬基準を掲載しておきますので、ご興味をお持ちの方はご覧ください。

福岡つむぎ法律事務所と一般的な事務所の報酬基準の違い

 それでは、福岡つむぎ法律事務所の報酬基準はどこが普通と違うのか。上でお話しした旧報酬基準と比べながらご説明します。

1 法律相談料

 (旧報酬基準の場合)

初回市民法律相談料30 分ごとに 5000 円から 1 万円の範囲内の一定額
一般法律相談料30 分ごとに 5000 円以上 2 万 5000 円以下
※税抜

 このように、法律相談料は、30分単位で決めるのが一般的であり、そのように決定している法律事務所がほとんどです。しかし、私たちは、法律相談料を30分単位で決める必要はないと考えています。

 なぜなら、タイミングによって、法律相談に必要な時間は変わってくるからです。まず、初回の法律相談では、初めてお会いするお客様から、初めて聞く事件のお話をうかがい、整理しなければならないことが多いです。代表弁護士の山本の経験では、初回の30分だけでは、十分に事実を聴き取った上でしっかりと解決方法までご提案できたことは多くありませんでした。そして、2回目以降の法律相談では、お客様と弁護士、お互いに特に気になったポイントにだけ話題が集中し、30分の余った時間は世間話をして談笑する、ということも珍しくありません。これは、病院の初診では病歴や体質などについてもヒアリングが行われ、再診になると症状の推移に話が集中するのと似ています。

 そこで、私たちは、次のように法律相談料を設定しました。

(福岡つむぎ法律事務所報酬基準の場合)

初回 1時間
同じお客様でも、相談内容が別件になった場合は初回料金になります。
5500円(税込)
以降 20分3300円(税込)
顧問契約をいただいているお客様無料
※法律相談の結果、以下の業務を実際にご依頼いただいた場合、以後その業務に関するご相談は無料です。たとえば、訴訟をご依頼いただいた場合、ご依頼後の訴訟の打合せの度に上記の相談料をいただくということはありませんので、ご安心ください。むしろたくさん打合せをして良い仕事をしたいと考えておりますので、ご遠慮なくご意見・ご質問などいただければ幸いです。

 ・出張交通費(出張相談の場合)

福岡地区全域
 福岡市内、糸島市、那珂川市、春日市、大野城市、志免町、粕屋町、新宮町、筑紫野市、太宰府市、宇美町、須恵町、篠栗町、久山町、古賀市、福津市、宗像市、筑前町、朝倉市、東峰村
福岡市早良区百道(最寄り駅:空港線藤崎駅または室見駅)との往復交通費を、バス代や普通電車代をベースに請求させていただきます。相談料が高くなることはありません。
※上に記載がない地域のお客様で出張相談をご希望の場合は、別途お見積りさせていただきます。

 

 まず大きな特徴は、初回相談を1時間で設定している点です。初回相談は、特にじっくりお話をうかがう必要があり、弁護士も進んで1時間の相談時間を確保すべきだと考えたのです。料金についても、「初回30分無料 以後30分5000円+税」としている法律相談が多いことを踏まえ、弊事務所はさらに進んで、「1時間5500円(税込)」としております。

 続いての特徴は、初回の1時間以降は20分単位で追加が可能という点です。初回にじっくりお話をうかがった後に、お客様が追加で相談されたいこととしては「相談の結果こういう話になったけど、そういえばここはどうなんだろう?」というような、スポット的な疑問が多いです。こういった疑問を解消するのに、30分は過大であることが多く、お客様に30分の追加料金を無駄にお支払いいただくのは心苦しいと感じておりました。そこで、弊事務所は、延長を20分単位で可能にし、料金も相場の30分5500円よりも少しお安い20分3300円(税込)としております。法律事務所にはあまりお世話になりたくないという方が多いでしょうが、私たちは、気軽に2回、3回と相談したいという事務所を目指しております。

 さらにこだわったのは、出張法律相談を、来所しての法律相談と変わらない料金で、という点です。本来、相談の場所を法律事務所にするかお客様の本拠にするかというのは、どちらが移動時間を負担するかという問題でしかないはずです(いずれの場合も、交通費はお客様が負担することになるのが普通なため)。それなのに、ほとんどの法律事務所は、お客様が法律事務所に来所して相談を受けることを当然視してしまっているようにみえます。そして、出張相談をする場合には、相談料を増額したり、別途日当を請求したりする事務所がほとんどです。しかし、代表弁護士山本は、「法律事務所に来たくても来られない」という方がたくさんいらっしゃることを知っています(さらにいえば、山本は、フットワークが軽い性分で、知らない土地のお客様の下に赴けるのをむしろ楽しみにしているような節もあります)。そこで、弊事務所は、住宅地にこじんまりとした事務所を設けることで固定経費を大きく削減し、その分を出張相談の時間に当てております(そのため逆に、ご来所しての法律相談をお受けできなくなっております。申し訳ありません)。その結果、出張相談の出張費は、上記のとおり、福岡地区であれば交通費の実費がかかるだけとなっております(お客様自ら法律事務所に出向く交通費を考えれば、これは損ではないと考えております)。福岡つむぎ法律事務所の出張法律相談を、是非ご利用ください。

2 事件の報酬

 ここでは、相談を経て、実際に事件を弁護士に依頼する場合の弊事務所の報酬基準の特色を、不動産明渡請求の訴訟事件を例に説明したいと思います。

(旧報酬基準の場合)

着手金事件の経済的な利益の額が
300 万円以下の場合 経済的利益の 8%
300 万円を超え 3000 万円以下の場合 5%+9 万円
3000 万円を超え 3億円以下の場合 3%+69 万円
3 億円を超える場合 2%+369 万円
※着手金の最低額は 10 万円 ①
報酬金事件の経済的な利益の額が
300 万円以下の場合 経済的利益の 16%
300 万円を超え 3000 万円以下の場合 10%+18 万円
3000 万円を超え 3 億円以下の場合 6%+138 万円
3 億円を超える場合 4%+738 万円
(中略)
① 特に定めのない限り,着手金は事件等の対象の経済的利益の額を,報酬金は委任事務処理により確保した経済的利益の額をそれぞれ基準として算定する。
算定可能な場合の算定基準
(中略)
ホ 所有権 対象たる物の時価相当額
へ 占有権,地上権,永小作権,賃貸権及び使用借権 対象たる物の時価の 2 分の 1 の額。ただし,権利の時価がその時価を超えるときは,権利の時価相当額
ト 建物についての所有権に関する事件 建物の時価相当額に敷地の時価の3分の1の額を加算した額
建物についての占有権・賃借権及び使用借権に関する事件 へにその敷地の時価の 3 分の 1の額を加算した額

                    (税抜)

 旧報酬基準は、全ての訴訟事件を一括りにしており、「経済的な利益」の額は後ろの方に注釈が付いていますが分かりにくく、法律家でない一般の方が計算するのは難しいと言わざるを得ません。加えて、所有権や賃貸権など、権利の性質によって経済的利益が変わってくるうえ、建物については敷地の時価3分の1を加算するなど複雑になっています。

 そこで、私たちは、次のように不動産明渡事件の報酬を設定しています。

不動産明渡事件(オーナー側・賃料滞納事案)

 

交渉、訴訟、強制執行全て含めて

着手金27万5000円(税込)
報酬金27万5000円(税込)

 ※報酬金は、明渡しが実現した際に発生します。

 ※上記の報酬基準は、オーナー側からの、賃料滞納を理由とする明渡請求にのみ適用されます。借主側のご依頼、解約の正当事由が争点になる件など、その他の不動産明渡請求事件については、上記金額を最低限とした別途のお見積りとなります。

 不動産明渡請求において、最も多い賃料滞納を理由とするオーナー側からの明渡請求に着目し、所有権や賃借権などの権利の性質による違いや、建物には敷地価格の3分の1を加えるなどの分かりにくい加算要素を無視して、着手金及び報酬金を固定しています。しかも、交渉から訴訟、強制執行まで、弁護士が代理する手続の最初から最後までを通して、分かりやすい一律の費用としております。このように、弁護士にとって報酬をプラスできる要素であっても考えずに報酬を単純化できるのは、上記のとおり事務所の立地やスケールを厳選したり、さらに徹底したIT化・ペーパーレス化・業務効率化をしたりすることにより固定経費・弁護士の業務負荷を削減しているからです。

3 手数料

 さらに、特筆すべきなのが書類作成などの手数料です。たとえば、遺言書の作成を例にとると、まず旧報酬基準は次のとおりです。

定型10 万円から 20 万円の範囲内の額
非定型基本
経済的な利益の額が
300 万円以下の場合 20 万円
300 万円を超え 3000 万円以下の場合 1%+17 万円
3000万円を超え 3億円以下の場合 0.3%+38万円
3 億円を超える場合 0.1%+98 万円
特に複雑又は特殊な事情がある場合
弁護士と依頼者との協議により定める額
公正証書にする場
上記の手数料に 3 万円を加算する
(税抜)

 まず、金額の幅が広く、「定型」「非定型」の判断基準も示されていません。さらには、「非定型」において「特に複雑又は特殊な事情がある場合」には、「弁護士と依頼者との協議により定める額」とされています。こういった場合に依頼者の方が意見するのは難しいことを考えると、基本的に弁護士のイニシアティブで報酬を決めるという発想に立った基準になっているといえます。

 そこで私たちが考えたのが、次の報酬基準です。

 ・遺言書の作成

定型11万円(税込)
公正証書にする場合には14万3000円(税込)
非定型22万円(税込)
公正証書にする場合には25万3000円(税込)
※弊事務所では、定型の遺言書を「①誰に②何を③どれだけ渡すか④系譜、お墓や仏壇を継ぐ人の指定⑤遺言執行者の指定 の内容に収まるもの」としています。これ以外の特別な条文が必要になる場合は大きく労力が増えるため、非定型の料金とさせていただいております。たとえば、遺留分を侵害する内容になるため対策を講じる、ある相続人を廃除する、二次相続まで見据える、そのとき遺産に入っていない財産についても遺言をする、などの少々イレギュラーなケースは非定型の遺言書になります。

 定型、非定型の基準を可能な限り具体的に示し、かつ定額にする価格も旧報酬基準にある最低限の価格に抑えています。このようなことが可能なのは、上記のとおり事務所の立地やスケールを厳選したり、徹底したIT化・ペーパーレス化・業務効率化をしたりすることにより固定経費・弁護士の業務負荷を削減しているからです。

 誤解のないように申し上げておきますと、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準が全面的に悪いというわけではなく、この基準は様々な業務に柔軟に対応できるとてもよくできたものです。ただ、私たちは、お客様に分かりやすく、かつリーズナブルであるという点を優先したいと考えました。創意工夫と努力により創り上げた新しい報酬基準、上記以外の種類の弁護士費用についてはこちらをご覧ください。




 事前に弁護士費用の予測がつきやすいので、安心してご相談いただけます。